イベントレポート

関西若手起業家ピッチコンテスト vol.1 (1/3)

2018/2/13 billage OSAKAにて「U-25 kansai pitch contest vol.1(関西若手起業家ピッチコンテスト)」が開催され、8名の起業家が登壇しました。前半4名のイベントレポートです。

登壇者

関西在住の若手起業家によるピッチがスタート

司会:皆さま、こんにちは。ただいまより、U25関西ピッチコンテストを開始いたします。

今回のイベントは、関西を拠点とする25歳以下の起業家を対象としたピッチコンテストです。本イベントでは、審査員であるベンチャーキャピタルや大企業の新規事業担当者に向けて、関西のスタートアップが事業を紹介し、資金調達やコミュニティ形成を後押しすることを目的としています。本日は、8名の起業家と12名の審査員の皆さまにお集まりいただいております。

それでは、早速ピッチプレゼンを始めさせていただきます。
トップバッターは、Unitbiz代表の殿村悠吾さんです。よろしくお願いします。

#旅行者と荷物を送りたい人をマッチング「Pickdeli」

殿村悠吾氏(以下、殿村):例えばこんな人がいるとしましょう。名前は、上田綾子さん。年齢は28歳で、2人のお子さんのママとします。彼女は、空き時間を見つけては、子どもたちの要らなくなったおもちゃや服や靴を、フリマアプリに出品しています。
しかし、彼女はこんなことに困っています。それは「送料が高過ぎる」ということ。たとえ売れたとしても、送料が高過ぎるせいで赤字になってしまうことさえあります。

どれだけ高いか実際に見ていきましょう。
関東から北海道までの料金表を見ると、60サイズで1,339円。60サイズに入るのは大体2kgのお米ぐらいです。次に80サイズですが、80サイズなら靴が入ります。数字だけ見ると大きく感じると思うんですけども、実際入るものは意外と小っちゃいんです。 関東から九州も大体同じような値段です。関西がちょっと安くなって、北海道から沖縄だと、なんと100サイズで3,000円以上かかっちゃいます。
※ピッチプレゼン当時の価格

さまざまな人の「移動」を利用して荷物を運ぶ

そこで僕が提供したいサービスは、この「PICKDELI(ピックデリ)」というサービスです。これはピックアップとデリバリーという言葉をつなぎ合わせました。さまざまな人の移動を利用して、荷物を運んでいくものです。
基本的には、関西圏エリアや関東圏エリアなど、都市部での近距離利用を想定しています。長距離ももちろん視野には入れていますが。どちらかというと、配達にかかる時間よりも配達するコストと値段を優先する人向けのサービスになっています。

最初に例に出した上田さん、いらっしゃいましたよね。この上田さんが例えば大阪市中央区に住んでいて、今からお隣の兵庫県神戸市まで荷物を送りたいとします。その際、上田さんはまず「PICKDELI」アプリに大きさ、重さ、住所を入力して、「荷物を配達する」というボタンを押します。そしたら、近くにいる通行人のAさんにアプリから仕事依頼通知が来て、報酬も書かれています。それを見てAさんは、仕事を受けるか受けないかを選択できます。
仕事を受けた場合、この上田さんの自宅からAさんが神戸駅まで持っていって、神戸駅にて配達員Bさんに渡して周辺のマンションまで持っていくという仕組みになっています。

不在率を下げるための3つの対策

さらに私たちは、サービスのユーザー満足度を上げるために、不在率を下げる仕組みを取り入れようと思っています。各運送会社の不在率というのは、大体15~20%と言われています。

これに対し、3つの対策を打ち出します。まず1つ目が、1時間単位で受け取り時間を指定可能にします。2つ目、30分単位で配達する時間をお知らせします。そして3つ目、配達の10分前にももうすぐお届けしますよということをお伝えします。
ある通販会社が同様の施策を行った結果、不在率が大体2.5%になっています。これを取り入れていこうと考えています。さらに、再配達は課金制にしようと考えています。

もちろん安全対策、法律を遵守するための対策も考えています。
アプリ登録の際は、まず免許証の提示が必要になります。それから、車での配達は絶対に運送業許可が要るので、これを証明書として提出してもらいます。

サービス利用時は厳しい配達員の評価制度。そして、あまりに低評価の場合はサービスのアクセスが不能になります。

料金設定は、基本料が500円。そして、大きさと重さ、距離により10円から1500円の上げ幅の設定をしています。この合計額の20%を手数料として収入を考えています。
大きさの測定方法は、うちのメンバーにAIの研究者がいるので、写真を撮るだけで大きさが測れるような仕組みをつくっていきたいと考えています。

チームメンバーとしては、まず1人目が森瀬太一。実は彼とCiamoというバイオベンチャー企業をやってまして、彼はそこのマネージャーをしております。2人目はプログラマーとしてAI研究を行っている秋枝魁成。彼と一緒に開発に取り組んでおります。

この事業による5つの利点

そして、この事業をすることによって全部で5つの利点があります。
まず1つ目に、配達員は日本中に実は40万人近くいるのですが、彼らの健康状態の改善を図ります。
そして2つ目は、配達人は移動のついでにお小遣い稼ぎができるようになります。僕は1年前に日本一周旅行をしていたんですけど、その頃によくお金をどうやったら稼げるかなとか、移動がお金にならないかなみたいなことを考えていたんですよ。その考えがこのサービスの原点になってます。
3つ目はECサイトの新規参入者の経費削減。4つ目にECサイトの利用者もより安く物を買えるようになります。
最後の5つ目が、環境問題の解決。これは通常トラックで運んでた荷物を電車で運んだりするので、それで車による排気ガス問題の解決を図ろうと思っています。

社会状況が追い風に

最近の社会状況が「PICKDELI」の追い風にもなっていて、ご存じのとおり、最近の新築マンションではほとんどに宅配ボックスがついてるということ。それと、コンビニ受け取りサービスが増加していること。あともう一つが、ECサイトって世の中に結構あるように感じると思うんですけども、実際、まだ全体の5%程度なんですよ。だから、95%残ってるので、需要増加を見込んでいます。

僕たちのできるファーストステップ。まず1つ目が、現在、航空券や靴なんかの販売をやっていて、顧客が350名ほどいるんです。その中の130名ほどが、今のところ僕のターゲットとなっています。

2月の下旬までにアプリのβ版をつくって、130名の彼女たちにサービスのフィードバックを得ようと考えています。

「PICKDELI」によって、これからは配達員ではなく、一般市民が配達を行うようになります。皆さんと一緒によりよい未来をつくっていきましょう。ご静聴ありがとうございました。

(会場拍手)

司会:ありがとうございました。Unitbiz代表の殿村悠吾様でした。

#痛くない・消えるタトゥー「ジャグアアート」

池上 奈津美 氏(以下、池上):私は、「lit(リット)をジャパンカルチャーに」というタイトルでお話ししていこうかなと思います。

まず初めに、クエスチョンです。
80%、これ何の数字かおわかりいただけますか。まあ難しいですよね。

実はこれ、敏感肌で悩む女性の割合を指しています。実は、すごく多いんですよね。アトピーであったりとか、あと乾燥肌、ニキビ肌、結構悩む人が。
そういった敏感肌の方は、化粧品で肌が荒れたり、あと衣服でちくちくしたりとか、あとアクセサリーで膿んだり、かゆくなったりとか、そういった問題があるんです。そういったことでおしゃれに悩む人はすごく多いんです。

私たちは、そんな悩める女性のおしゃれを解決していきたいなと思っております。それが、肌に残らないタトゥーです。

3つのカルチャーを1つに

タトゥーって聞いて、驚く人も多いかもしれないんですけど、実はこのタトゥーには3つ特徴があります。
まず1つ目が、肌を傷つけないです。なので、痛みがありません。そして2つ目、ターンオーバーとともに2週間ほどで消えていきます。そして3つ目、デザインは自由自在。何でも描けてしまいます。こういう3つの特徴があります。

さらに言うと、実はこれ、オーガニックフルーツでできています。このオーガニックフルーツは、食べたり飲んだりすることもできます。それ以外にも、実はこれ、薬用として使われていたりもします。ぜんそくとか、肝臓疾患とか、医療目的としても使われるぐらい、安全なものです。そのフルーツをパウダーにし、美容成分を含ませたものを化粧品として販売することに成功しました。

この、「アート」「美容」「ファッション」という、バラバラなカルチャーを1つにしている。それが、私が開発してきた「lit」というものになります。

敏感肌の人のためのおしゃれ

実はこれ、2年半かけて開発してきました。日本初の商品です。
従来のインクと比べて見ますと、縦が安全軸、横が品質とすると、従来はケミカルな肌によくないものが使われていたんですね。それ以外にも、鮮度があまりよくない、肌に悪いようなインクが使われていました。

しかし、litは全く違います。化粧品として販売されているので、美容成分を開示してるんですね。それ以外にも鮮度を保っています。なので、litは敏感肌の人のためのおしゃれでもあるんです。

アーティストが食べていける世の中に

さらに美容業界の側面から言うと、アーティストの食べていける職業の一つにもなるかなと思っております。美容室、ネイルサロン、まつエクサロン、そういったサロンのオプションメニューにもできて、売り上げに伸び悩むサロンさんの救世主になるかなと思っております。

私自身もジャグアアートを仕事にすることで、本当に人生が変わりました。というのも、これを始めてからずっとインスタグラムに写真を上げていたので、1年でSNSのフォロワー数が1万人になり、インフルエンサーとのコラボも可能になってきました。

そういったことから、今、挑戦していることが1つあります。それが、アーティストさんのデザインをシール化するということ。アーティストさんのデザインをシール型のジャグアアートにして、私のインスタグラムで宣伝させてもらってアーティストさんの知名度アップにつなげるんです。

誰でもセルフでできるように

この活動の利点はもう一つはあって、シール化することで、誰でもセルフでできるようになるんです。なので、アーティストさんの応援をしながら、誰でもジャグアアートできるような商品を開発しています。

それも、このシールは実は4構造になっていて、肌に接着する面は医療用のシールを使ってるんです。なので、敏感肌の人でも楽しめます。

私はこのlitをジャパンカルチャーにして、アーティストが食べていける世の中を本気で目指しています。なので、一緒にご協力いただいて、一緒にお仕事できる方、コラボしていただける方を探していますので、よろしくお願いします。 ありがとうございました。

(会場拍手)

司会:ありがとうございました。改めまして、N.design代表取締役の池上奈津美様でした。

#女子高生特化型のECサイト

山口 真由 氏(以下、山口):それでは、プレゼンテーションを始めさせていただきます。山口真由と申します。2月15日に法人化を予定しておりますので、まだサービスのほうは展開しておりません。

簡単な自己紹介をさせていただきます。まだ高校2年生で、きょうも学校に行って、そのままこちらに来ました。

女子高生は誰でもインフルエンサー

では、簡単に事業のご説明させていただきます。
事業背景といたしましては、女子高生は流行を生み出して、そして、それに対して興味を持つのも女子高生なんですね。ただ、どこかで流行っててそれを知りたくても、意外となかなか情報が入ってこない子たちも結構いるので、そういう子たちをターゲットにしていこうと考えています。

そして、私がもう一つ着目したのが、日本国内での衣服の在庫処分量です。こちらは、後ほどご説明させていただきます。

私たち女子高生は、誰でもインフルエンサーと言ってもいいほど、みんながSNSを利用しています。その理由は、誰かがカフェの写真を載せて、そこをいいなと思ったら、ほかの子も行ったりするんですね。そういうふうに誰が誰に影響を与えるかわからないほど、SNSが普及しています。

そして、私たちはいいものを共有したいという思いがすごく強いので、何かいいものを載せたらほかの子も使いたいとか、そういう思いがすごく強いなと思います。

女の子の毎日を明るく楽しいものに

そこで私が考えたのが、このBOUQUET LAB(ブーケラボ)というECセレクトショップです。
事業内容は、女子高生のマーケティングチームが提供する女子高生特化型のECサイトになります。流行を生み出し続け、常に最先端を追い求める女子高生ならではのサービスです。リサーチ、セレクト、販売をしていこうと思っています。

このECサービスを提供することによって、女の子の毎日を明るく楽しいものに変えれていけたらいいなと考えています。

無駄のない社会をつくり上げていきたい

そして、在庫の話なんですけれども、在庫商品を南半球の国で販売と書いているんですけれども、在庫になってしまった商品を、季節が逆の南半球で販売するということを考えています。季節が逆なので、その半年間を利用して、向こうで販売できたらいいなと思っています。

あと2025年には、女子高生バージョンと女子大生バージョンをアプリにして、プラットフォーム化したいなと考えています。今はチームを集めて展開していこうと思っているんですけれども、チームをつくらずに一人一人がメンバーみたいな感じで、企業と直接マッチングできるようなサービスが提供できればいいなと考えています。

そこで、私が今、この事業を展開する理由としましては、今は女子高生のマーケティングチームの仲間がたくさんいること。そして今、私自身が女子高生なので、今の私がすごく欲しいと思うサービスでもあるので、私はこのサービスを展開したいなと思っています。

そして、女子高生の流行を追い求め続け、女子高生の毎日を変えたいと考えています。在庫の循環システムの構築にもなるのではないかなと思っています。そして、無駄のない社会をつくり上げていきたいなと考えています。衣服の在庫処分量を減少することにより、SDGsのつくる責任、使う責任にも貢献することになるのではないかと考えております。

女子高生である私自身がこのサービスをすごく欲しいと思っています。そして、周りの子たちにサービスについて話したときも「早くこのサービスを展開してくれないか」という話をもらいます。だから、私はこの事業と向き合っていく自信があります。 というところで、私のプレゼンテーションは以上です。ご静聴、ありがとうございました。

(会場拍手)

司会:ありがとうございました。JKのためのセレクトショップ代表、山口真由様でした。大きな拍手をお送りください。

(会場拍手)