イベントレポート

関西若手起業家ピッチコンテスト vol.2 (1/3)

2019/8/5 billage OSAKAにて「U-25 kansai pitch contest vol.2(関西若手起業家ピッチコンテスト)」が開催され、8名の起業家が登壇しました。前半4名のイベントレポートです。

登壇者

関西在住の若手起業家によるピッチがスタート

司会:皆さま、こんにちは。ただいまより、U25関西ピッチコンテストを開始いたします。

今回のイベントは、関西を拠点とする25歳以下の起業家を対象としたピッチコンテストです。本イベントでは、審査員であるベンチャーキャピタルや大企業の新規事業担当者に向けて、関西のスタートアップが事業を紹介し、資金調達やコミュニティ形成を後押しすることを目的としています。

それでは、早速ピッチプレゼンを始めさせていただきます。
トップバッターは、株式会社No Limit 代表取締役 瀬戸敦史さんです。よろしくお願いします。

#外国人留学生向け採用プラットフォーム

瀬戸敦史 氏:皆さんこんにちは。株式会社No Limitの瀬戸です。よろしくお願いします。
弊社は、「グローバルJOB(ジョブ)」というサービスを通じて、日本企業と外国人の採用マッチング支援をしている会社です。今、4期目になります。

外国人の2人に1人は就職できない現状

早速ではありますが、「2分の1」。この数字、何だかおわかりでしょうか?これは実は、外国人の就職率です。日々多くの外国人を受け入れていますが、2人に1人は就職できません。

この問題に気づいたのが、起業する前、大学2回生のときに当時お付き合いしていたアメリカ人の彼女が日本で働きたいと僕に打ち明けてくれて、大学就職支援課に一緒に行ったところ、大学側も全校生徒の1%程度の外国人留学生に対して、なかなか就職支援体制ができておらず、「インターネットで就活サイトを使ってください」と紹介されて、結果的に大好きな日本で働くことは叶いませんでした。

その結果、僕も自分の大切な人が困っているときに何もできなかった自分が本当に悔しくて。そして、将来的にもすごく社会的意義がある、日本で働きたい留学生の就職支援領域で今後、会社としてやり抜きたいなと思っています。

なぜ、留学生が日本で働けないのか? 留学生側がダメなのかというと、決してそんなことはなくて、すごく優秀なんです。言語も喋れますし、成長意欲もすごくあります。ただ、留学生は、日本に400万社の会社がある中で、外国人を採用したい企業がどこにあるのかわからない。そして、企業側も優秀な留学生がこの日本にいることをわかっていない。だから、ミスマッチが起こって就職率が悪い、という現状があります。そこで、僕たちは「グローバルJOB」というサービスを通じて、マッチング支援を行っています。

留学生と企業のマッチングを支援

事業モデルとしてはシンプルで、日本国内にいる外国人留学生に対して、就職支援を無料で行っています。「グローバルJOB」に登録が集まり、企業側が人材紹介採用イベントに参加することでマネタイズしている事業モデルになっています。

その他にも、「グローバルJOB」に登録している留学生に対して、動画を用いて日本語学習支援や、ビジネスマナーの研修。そして、「日本でどういうキャリアを歩みたいのか」という学生やインターン生によるキャリアコンサルも併せて行っています。

実際に日本語の学習をした留学生が話す場面があるんですけど、これぐらいナチュラルにネイティブに話せます。
(外国人女性同士の対話動画)

僕らは、「グローバルJOB」に登録している外国人留学生を、「高度外国人人材」と定義して、主に上場企業様に紹介させていただいたりもしてます。

「グローバルJOB」に登録いただいた留学生は、縦と横のつながりをつくれるイベントや、自社で国際交流イベントを運営することによって、留学生の集客プラットホームをどんどんと大きくしています。
その集客プラットホームを支えるのが、毎月5名ほど増えているインターン生で、いろいろな合同説明会や採用媒体を使って、毎月50名ぐらいインターン生の応募が来ます。

日本一の外国人人材データベースが強み

今、強みとしては日本一の高度外国人人材データベースがありまして、このデータベースを使って、企業さんにマッチングしています。採用イベントついては、毎月、いろんな企業や留学生呼んで、相互理解を深めながらマッチングをしています。
実際に、今、サポートしている留学生は200名を突破していて、売上も非常に伸びています。1、2期目は、登録者数を増やす時期だったので、売り上げに苦戦しましたが、去年からマッチングが始まり、このようにどんどん順調に伸びています。

市場規模も特定技能という外国人のビザ緩和が進んできたことにより、中長期、長期的に見ても、日本で働く外国人は増えています。そこに対して、僕らは新卒の人材紹介だけではなくて、アルバイトやインターンシップとか、外国人に対して不動産や金融等のサービスを提供して、売上を拡大していきたいと思っています。

2024年には、30億ぐらいのビジネスになっていると確信しています。
さまざまなビジコンで優勝したりだとか、メディア掲載していただいたりとかしてますが、僕たちがやりたいのは、ただの人材紹介会社で終わりたくないというところが一番強い思いとしてあります。日本で働く留学生は非常に優秀で、高いポテンシャルを持っていると思います。そのポテンシャルを最大化するサービス「グローバルJOB」になれたらいいなと思ってるので、今後とももし、応援していただけるようでしたら、ぜひ応援のほどお願いします。ありがとうございました。

(会場拍手)

司会:ありがとうございました。瀬戸敦史様でした。

#写真展空間のプレゼントサービス

新美早紀 氏:ハモンの新美と申します。よろしくお願いします。
突然ですが、この数字(58位/156カ国)、何の数字だかわかりますか。これは、国連が発表した世界幸福度ランキングの日本の順位です。日本は先進国で物質的にも豊かであるはずなのに、心の豊かさをランキングにすると、ここまで順位が下がってしまいます。

では、何が心の豊かさをつくるのでしょうか。ハーバード大学の研究結果では、幸福と最も相関が高いのは、良質な人間関係だという結果が出ています。
そこで私たちは、「人とのつながりを深める機会を提供することで、幸せだと感じられる人を増やすこと」をビジョンとして活動しています。

空間自体がギフトとなった全く新しいサービス

私たちハモンの代表的なサービスの1つが、この「おくりもの写真展」です。「おくりもの写真展」は、思い出の写真で写真展をつくり、大切な人へ送ることができる、空間自体がギフトとなった全く新しいサービスです。依頼主の方のインタビューをもとにコンセプトを設計し、コピーライティングから設営まで、トータルプロデュースを行っています。実際に私も、両親の結婚記念日に写真展を贈りました。

私の両親は共働きで自営業をしているので、毎日、忙しく働いていました。そのため、子育てをちゃんとしてやれなかったと後悔を感じていました。私は社会人になって、両親がどれだけの覚悟で今まで家族を見守ってきてくれたのか、身にしみて感じるようになりました。私は、2人が一生懸命働いてきてくれたおかげで、今まですくすくと育ち、伸び伸びと自由にさせてもらって、いろんなことに挑戦することができました。その感謝を伝えるとともに、両親が、自分たちはちゃんと立派に子育てをしてきたと感じてもらえるように、写真を選び、言葉を添えて、写真展の空間をつくっていきました。

このように、写真展を見た方が、自分の過去を肯定し、いい人生を生きていると実感して、今後の未来が明るいものだと感じてもらえるように写真展を設計することを一番大切にしています。ここまでがサービス紹介になります。

連携を強化しながら展開を進めていきたい

続いて、PR施策です。今まで、サービスリリースから半年間で約20組の写真展をさせていただいてきました。今後は、年間100組の写真展の実施を目指し、PRを強化していきます。20組の実施のうち、約半数が娘から親御さんへの写真展でした。そのため、親孝行の大きな機会でもある結婚式に注目し、結婚式と同時期で写真展が行えるように、提案を強化していきます。
そのため、結婚式場との連携や、プレ花嫁さん向けのSNS施策を進めています。

また、もう半数は夫から妻への写真展で、子育てや家事を頑張る奥さんへ感謝を伝えたいという動機でご依頼いただきます。
こちらは、子育てメディアやパパタレントさんとのコラボを進めています。ほかにも、定期的にメディア露出を行っており、認知の向上を目指しています。

大切な人を思う時間がふえていく世の中に

最後に、今後の展望です。おくりもの写真展は、現在18万円で販売していて、ギフト市場でこれは高単価であり、利用シーンは限られています。
私たちのビジョンは、もっともっと多くの方に届けるために、ほかのサービスの考案も進めています。写真展を1冊の本に落とし込んだおくりものブックや、結婚式のプロデュース、動画制作などは既に始めており、他にも様々なサービスを展開していく予定です。

今後、 AIが進み、仕事をする時間が減っていくと言われていますが、その分、大切な人を思う時間がふえていく世の中になったらいいなと思っています。私たちはそんな世の中になるための一石を投じる存在になります。ご静聴、ありがとうございました。

(会場拍手)

司会:新美様、ありがとうございました。

#旅動画のプラットフォーム

森大樹 氏:こんにちは。それでは、「Capichi(キャピチー)」の発表を始めさせていただきます。
まず、僕の自己紹介からですが、僕がCEOの森です。今、神戸大学の5年生で、大学の休学2年目になります。休学をして、初めはベトナムの現地のテック企業で働いていました。その途中で、その企業から出資を受ける形でこの事業「Capichi」を立ち上げて、現在の独立に至りました。
僕たちのチームですけど、代表の僕と技術顧問のメンバー以外は、全員ベトナムにいます。そして、開発チームも全員優秀なベトナム人です。なので、僕たちは日本とベトナムから世界を変えていきます。

アウトラインとしては、解決する課題を述べた後に、課題に対する解決策と市場性と競合を話していこうと思います。

みんな同じ地球人という感覚になろうよ

僕たちのビジョンなんですけど、「世界から心の国境をなくすこと」です。これはつまりどういうことかというと、日本人とか韓国人とかじゃなくて、「みんな同じ地球人という感覚になろうよ」ということですね。
これは、僕が初めてベトナムに行ったときに、ベトナム人たちが外国人という感じやったんですね。でも、気づいたらいつの間にか、外国人と思わなくなってたんですよ。それと同じように、韓国人やイタリア人の友達もいるんですけど、今ではもう外国人と思わなくなったんですね。みんな同じ地球人やという感じなんですよ。

そういう感覚を世界中の人が持てるようになれば、最高にわくわくしませんか? そうなれば、もっとすばらしい世界になると信じてます。だから、自分たちの世界でそういう世界をつくっていきます。

ここで質問なんですけど、皆さんは旅行とか普段の生活で、観光スポットとかレストラン、カフェを探すときにどうしますか? やっぱりグーグルが大半かなと思うんですね。他にもこの辺のサービスを使う人も多いかなと思います。でも、現状、これらのサービスに満足してますか? 僕はまだまだ課題があると思ってます。まず1つ目は、有名な場所の情報の量はすごく多いんですけど、ローカルとか穴場の情報量というのは、すごく少なくて偏りがあります。また、テキストでの説明やレビュー、画像だけでは、結局どこがいいか見極めることがすごく難しいです。そもそも検索をして探すという行為自体、時間がかかって面倒くさいです。

これからは動画のガイドブックの時代に

僕たちは、これらの課題を一気に解決できるサービスをつくりました。それが、動画の旅行ガイドブックのプラットホーム「Capichi」です。
僕たちは、これまでの紙のガイドブックという時代を終わらせます。これからは動画のガイドブックの時代になるんです。僕たちは既にこのサービスをもう開発してリリース済みです。なので、実際のアプリ利用動画を見ながら、説明していきます。

このように、これはベトナムですけど、世界中のユーザーが投稿したいろんな場所の動画を見て楽しみます。そして、いいなと思った場所は「いいね!」やブックマークしていきます。そうしたら、このアプリ内の自分だけの地図に自動で記録されていくんですね。そうしたら、後からいざ自分が新しい場所に行きたいなと思ったときに、すぐに自分が行きたい場所を確認して行けるようになるんです。

つまり、まずはユーザーがいろんな場所の動画を投稿することで、ローカルな場所まで動画という質の高い情報で網羅することができます。そして、動画だから、直感的に行きたいかどうか判断することができます。また、自分だけのガイドブックができていくので、そもそも検索しなくても、行きたい場所がすぐにわかるようになるんです。

非言語のプラットホームで世界展開も視野に

ここで、気になるマネタイズなんですけど、僕たちは企業とか店舗に対して、新しいマーケティングのプラットホームをつくっていきます。これは、これで企業や店舗は自分たちのリアルな魅力を動画というダイレクトな手段で伝えられるようになります。

また、メインの売上は動画広告です。動画の広告市場はどんどん伸びていて、チャンスの大きい市場になってます。また、皆さん御存じの通り、世界中で旅行市場というのはどんどん伸びていて、かなり大きな市場です。また、僕たちのサービスは、InstagramやFacebookのように、非言語の仕組みのプラットホームなので、一気に世界展開してユーザーを増やしていくことができます。

今までにない全く新しいプラットホームでありながら、非常に大きな市場で僕たちは勝負しており、急成長できるサービスの仕組みも持ってるので、ユニコーン企業になって本当に世界中から心の国境をなくしていくサービスになります。

最後に、僕たちは今、事業を加速させるアーリー期として、2,000万から5,000万の投資を目標に動いてます。なので、投資に興味がある方はご連絡ください。より詳しい事業計画などを僕から熱く話しさせてもらいます。以上、ありがとうございました。

(会場拍手)

司会:ありがとうございました。

#くせ毛向けのスタイリングワックス

小林弥起 氏:よろしくお願いします。TEMPER代表の小林と申します。「TEMPER(テンパー)」というのは、テンパのことなんです。
というのも、僕は中学時代からすごくくせ毛にコンプレックスがあって、ほんとに4年ぐらい前からそれで情報発信を始めたんですよ。例えば、「テンパ」を検索してもらうと、僕のめっちゃ魂のこもった記事が一番上に出てきます。
あとはファッションブログもやっていて、外見にコンプレックスがある人に向けての情報発信していたんですが、気づいたら月間70万PVぐらいになってて、やっぱりそうなると、DMもすごく来るんですよ。「めっちゃ悩んでます」、「くせ毛、大変です」みたいな。

湿気に困ってるくせ毛の人がめちゃくちゃ多いことに気付いた

何かそういうのを聞いてると、「ほっとかれへんな」って感じてきて、その結果、今日お話しする、「コンプレックスをテクノロジーで解決する魂のブランドをつくる」に繋がっていくんです。個人的に「魂の」というところがポイントです。先にお伝えすると、元々はくせ毛特化という話だったんですけど、今ではちょっと変わってます。でも、根本的な部分は一緒なので、先にそこだけ前置きして、本題に入ります。

まず、課題とソリューションについてなんですけれども、髪の毛のメディアを運営してたんで、まずペルソナ分析のアンケートをとりました。その結果、湿気に困ってる人がめちゃくちゃ多いということがわかったんですよ。
なので、まず僕たちは、「湿気で」というところにフォーカスしました。でも、湿気対策できるもんて、たしか他にあるんじゃないかなと思って調べたら、ヘアスプレーやジェル、ワックスなど、あるにはあったんですよ。
けど、「湿気に強い」のと「髪形の自由度」を両立できるものがなくて、実際にメディア運営してても、その2つを「両立したやつないんですか?」みたいな質問が結構多かったんです。

くせ毛用のスタイリングワックスを開発

それじゃあ、1回つくってみよかということで、つくったんですよ。まだクオリティーとしては、もっと上げれるなというところはあったんですけど、自社メディアで出してみたら、3,500個以上売れたりとか、結構いい評価もらったりとかして、これはいけると思って、そこから改善して、訴求も考えて、今回リリースしようと思ってるのが、こちらの「PreWAX(プレワックス)」になります。
これ、「髪のベースメイク」という発想なんです。「湿気対策」と「スタイリング性」のどっちも両立できるもので、めちゃくちゃいいものができたと思ってます。使い方としては、スタイリング剤の前に使うことが多いです。まずこの「PreWAX」というのをファーストステップに展開していきたいと思っています。

じゃあ、「実際それ、商品としてどうなの?」みたいな話なんですけど、まず参考にしたのが、「BOTANIST(ボタニスト)」というブランドで、ここの特徴は小さいシェアでも、感度高い層に絞っているんですね。そこを真似して、500から600億円ある市場で、僕たちも感度高い層に絞ろうと。

もう一つ参考にしたのが、「BULK HOMME(バルクオム)」さんで、これは当時メンズスキンケア市場のハイクラス部門が空いてて、そこでトップとって企業価値30億円を達成したブランドです。
これらを並べて見てみると、このメンズのスタイリング剤も全く同じ状況で、Amazonのランキングとか見てもらったわかるんですけど、1位から100位まで見たときに、ハイクラスに当たるものが1個しかなくて、しかも、それが「ポマード」っていう限定的なスタイリングしかできないやつなんですよね。仮にこの市場と比べても倍はあるんですよね。だから、仮に1%取っても、同じかそれ以上の売り上げを上げられるという計算になります。

なので、まずはPreWAXをまずこの価格帯で販売しようと。じゃ、実際それ、どうやって広げていくのかというところなんですけれども、特に奇をてらったことはせずに、今、既存のメディアがあって、そこに大体LINE@とかも含めると、1万人から2万人ぐらいのファンがいるので、そこを生かしながら、あとは感度高い層が見てるようなメディアに露出することによって、相乗効果を狙おうとしています。

今後の流れですが、まずはターゲットとなる感度の高い人たちがいそうなクラウドファンディングから始めて、そこでワンクッション置いて、正式に販売開始。このワンクッションのタイミングで資金調達を考えてます。売り上げの目標は、それぞれ数値では設定しています。

テクノロジーでコンプレックスを解決する

その後の展開なんですけれども、一応まずはそのメンズヘアスタイリングのハイクラスでシェアをとって、そこからヘアケアとか、メンズメイクというところに進出していって、そこでファンを巻き込みながら、この「コンプレックスをテクノロジーで解決する」というのを軸に、横展開していこうと……アパレルとかレディースとかも考えております。

最後になるんですけれども、僕が伝えたいことは、「コンプレックスに惑わされんな、もっと自分の人生、時間そそぐとこあるやん」って、めちゃくちゃ思うんですよ。でも、確かに僕もすごくそこのコンプレックスに時間を使ったからわかるんですよ。だからこそ、僕がこのテクノロジーでコンプレックスを解決するということで、僕らのそれが役割なんじゃないかと信じて、今後とも精進していきたいというふうに考えております。以上になります。ありがとうございます。

(会場拍手)

司会:小林さん、ありがとうございます。ここまでで前半4名のピッチが終了しました。

(会場拍手)